『プロローグ』
〜楽器に妖精が宿る世界〜
妖精と心を通わせる演奏家は、演奏によってさまざまな奇跡を起こすことが出来た。
ホルン奏者である少年、ユウキ。
彼は、演奏者学校を卒業し、ホルンの妖精と契約を交わすことに成功。国家に認定された演奏家、「コンセルヴァトアール」となる。
演奏家本部から、次々と演奏家が失踪するという、不吉な事件の捜査を命じられたユウキ。
親友であるトロンボーン奏者のシザース、学生時代の教師であり、ドラム奏者のテリアと共に事件を追うユウキ達。
事件を追ううちに、演奏家を洗脳する、闇の演奏家組織の存在を知る。
行きがかり上、臆病者のコントラバス奏者のキリュウト、スラムの少女であり、はぐれ者のフルート奏者のミラが仲間に加わり、旅が続く。
そして、闇の演奏家組織が『伝説の楽譜』と呼ばれる、世界を変える力を持つ楽譜を、集めていることを知る。
『妖精界の創世』
〜初めに音があり、その音の響きから、妖精が生まれた〜
生まれ、消え続ける妖精達が、自分達の暮らす世界(妖精界)を整えていく最中、寿命や不慮の事故で消滅していくという事が起き始める。妖精界の均衡が少しずつ崩れていく中で、消え行く妖精達の命が集まり、転生の木(ダ・カーポ)が生まれた。ダ・カーポに集まった妖精達の命が養分となり木を支え、実った果実からは妖精が生まれ、妖精界を支える。そうして、妖精界の在り方は整えられていった。
ある時、ダ・カーポが枯れ始めるという事件が起きる。妖精界には響きがあってもメロディが無く、それが原因であった。しかし、妖精達は気づくことが出来ず、ただ当惑するばかりだった。
その頃、丁度人間界に楽器が生まれる。
人間界から聞こえる不思議な響きに、不思議な安らぎを覚える妖精達。それはダ・カーポにとっても同じだった。その事に気が付いた妖精達は、人間界との間に『門』を作り、人間界への協力を要請。人間界に存在する楽器・メロディの力を身に付けた妖精達により、木が枯れるのを防ぐ事に成功した。
この時、災害(ダ・カーポが枯れる事)をおさめた五属性の妖精達が、それぞれの属性の王となり同属性を治める事となる。その後、人間と契約する習慣が残り、妖精達の成人の儀式として行われていく。
人間界から妖精界へ戻って来た妖精達は、ダ・カーポの前で自分の音を奏で、木に養分を届ける事により、ようやく成人の儀式を終え、一人前として認められる事となる。